ネックレスを長く身につけていると、汚れやくすみが気になってくるもの。
ここでは自宅でかんたんにできる、ネックレスのお手入れ方法を紹介します。
目次
ネックレスが変色する理由
純金や純プラチナは本来変色がおこらない貴金属です。
それにもかかわらずネックレスが変色してしまうのは、割り金(わりがね)という素材が汗や皮脂などに反応するためです。
割り金は純金や純プラチナを加工しやすくするために混ぜる素材で、銀や銅などが使用されます。
銀はホワイトゴールドやピンクゴールドに含まれており、温泉などの硫黄成分に反応し、黒ずんできます。
銅はゴールドやピンクゴールドに含まれており、酸化によって赤く変色してきます。
また塩素系の漂白剤に付着すると黒ずんできます。この塩化による黒ずみはとても手ごわく、完全に綺麗にすることが難しいため、漂白剤を使うときはジュエリーを外すなどして気を付けるとよいでしょう。
割り金の量が多い10金や9金素材だと、お手入れを行ってしまうと変色しやすくなるので、日々のお手入れがとても大切です。
あると便利なお手入れアイテム【セーム皮】
セーム革とは鹿の革で作られたクロス(磨き用の布)です。繊維が詰まっていていとても目が細かいのが特徴です。
タオルやティッシュペーパーで宝石や貴金属を拭いてしまうと、細かなキズが表面についてしまいますが、セーム革はキズをつけることなく汚れをきれいにし、表面に美しいツヤを出すことができます。
キズのつきやすい真珠やオパールなどの柔らかい宝石にも使える万能なクロスです。
ジュエリーはもちろん、腕時計やメガネ、カメラのレンズの汚れを拭くのに最高の素材といえるでしょう。
セーム革のお手入れ方法
セーム革が汚れた場合は
- 中性洗剤で手洗い
- タオルドライで水分を吸い取って陰干し
- アイロンをかけて伸ばす
と良いです。
[ポイント]
中性洗剤だけで洗ってしまうと、乾いたときにごわごわに硬くなってしまうため、柔軟剤やリンスを一緒に入れると柔らかく仕上がります。
セーム革の注意事項
汚れ拭きに使ったセーム革を仕上げ用に使ってしまうと、汚れのせいで小キズがついてしまう可能性があります。汚れ拭き用と仕上げ用は分けておくとよいでしょう。
【素材別①】プラチナネックレスの洗い方
プラチナは変色の原因になる汗や酸につよい貴金属なので、日常的なお手入れは柔らかい布で汚れや汗をふき取るくらいで大丈夫です。
注意すべき点は、目の粗い布だと傷がついてしまう場合があるので、セーム皮や眼鏡拭きなどの、繊維の詰まった柔らかい布でふくとよいでしょう。
もし汚れがひどい場合は、中性洗剤や専用のクリーナーでお手入れするときれいになります。
【素材別②】18金のネックレスの洗浄方法
ここでは日々のお手入れや、変色や黒ずんだときのお手入れ方法を紹介していきます。
[1]日々のお手入れ方法
ゴールドは汗や酸、アルカリなどに強い貴金属なので、本来は特別なお手入れはあまり必要がありません。しかし割り金に使っている銅などが原因で変色してしまう可能性もあるので、柔らかい布で汚れや汗を丁寧にふき取るとよいでしょう。
ネックレスのチェーンは布だけでは細かい部分の汚れが取り切れないため、定期的に専用クリーナーか、中性洗剤を入れたぬるま湯につけて、柔らかいブラシで軽くこすります。そのあと必ず真水につけてしっかりとすすいでください。そして柔らかい布で水気をしっかりとふき取るようにしましょう
18金の場合、金の純度が高いためキズがつきやすいので専用液でお手入れをすることをオススメします。
また硫黄が変色の原因になるため、温泉に入るときは必ず外してください。
[2]黒ずみをきれいにする方法
温泉に含まれる硫黄成分によって、ゴールド素材のネックレスが変色する場合があります。これは割り金の銀に、硫黄成分が付着することでおこる黒ずみです。この場合、「還元反応」を利用することで取り除く可能です。
[用意するもの]
・洗面器
・アルミホイル
・重曹
・お湯
[手順]
- 洗面器にアルミホイルを敷く
- お湯と重曹を3:1の割合で溶く
(お湯30ccの場合、重曹10g)
- ②を①に入れる
- ③にネックレスを入れる
- 時間がたったら、真水できれいにすすぐ。
※宝石がついているネックレスの場合、石に影響が出る場合があります。宝石は溶液につけないようにご注意ください。もしチェーンだけ取り外せるようであれば、取り外してから浸けてください。
※浸けておく時間の目安は数字間~一晩くらいがよいです。
完全にきれいにならない場合もあるので、もし一晩つけてもきれいにならない場合はジュエリーショップなど専門店にてクリーニングしてもらうことをオススメします。
【素材別③】10金、14金ネックレスの洗浄方法
18金よりも金の純度が低い10金や14金は、それだけ変色の原因になる金属が多くなっているため、こまめに汚れや汗を拭きとるとよいでしょう。
18金と同じく、10金や14金のネックレスも硫黄が変色の原因になるため、温泉に入るときは必ず外してください。また塩素系の漂白剤を使うときも、かならず外すようにしましょう。
定期的に専用の洗浄液でクリーニングすることをおすすめしますが、もしお手持ちでない場合は以下の手順で洗浄してみてください。
- 洗面器に水またはぬるま湯をはる
- 食器用洗剤(中性洗剤)を数滴入れる
- ネックレスを入れて、柔らかい歯ブラシで軽く磨く
- タオルでしっかりと水気を拭いて乾かす
18金ゴールドよりも硬いので、歯ブラシで軽くこすってもキズは付きにくいので専用クリーナーがない場合は上記のやり方がおすすめです。
ゴールドの中でも10金はとくに変色しやすいので、定期的に洗浄することが長く使う秘訣です。
【石別】ネックレスの洗浄方法
石によって自分で洗浄できるものや、そうでないものもあります。デリケートな宝石を誤った方法で洗ってしまって後悔してしまわないよう、石別のお手入れ方法を紹介していきます。
【石別①】ダイヤモンド
ダイヤモンドは油になじみやすい性質を持っているため、化粧品や汗、指の油分が付着し徐々に汚れてくすんできます。
そのため輝きを保つためには、こまめに柔らかい布で拭いてあげると良いです。
それでもダイヤモンド汚れたり、くすんで輝きが鈍くなったりしたときは、中性洗剤と歯ブラシを使ってお手入れが可能です。
ダイヤモンドのお手入れ方法は、【ダイヤモンドのネックレスが白く濁る理由と、家庭でできるかんたんなお手入れ方法】でも詳しく紹介しているので、そちらをご覧ください。
【石別②】ルビー・サファイア
日々のお手入れはセーム皮などの柔らかいクロスで拭くようにするとよいでしょう。
汚れが気になるときは、水またはぬるま湯に中性洗剤を2~3滴入れ、柔らかい歯ブラシで汚れを磨きます。
歯ブラシでこするときは力を入れ過ぎないように気を付けてください。
くすみが気になるときは、汚れのたまりやすい枠の間や裏面も磨くようにしてください。
【石別③】エメラルド
エメラルドはとてもデリケートな宝石です。日常のお手入れはセーム皮やシリコンクロスなどで軽く拭くとよいでしょう。
エメラルドには、クラック(ひび割れ)やインクルージョンという内包物の多い宝石です。そのため含侵処理といって、オイルや樹脂などを含ませて目立ちにくくする処理がされています。
そのため洗剤や超音波洗浄機を使ってしまうと、エメラルドにダメージが入る可能性があるので、もし汚れが気になるようであれば宝石店など専門店に任せるとよいでしょう。
【石別④】オパール
オパールはデリケートな宝石なので、もしチェーン部分がゴールドやプラチナ素材であれば取り外して別々に洗浄するとよいでしょう。
ここではオパールのお手入れ方法について紹介します。
オパールはセーム皮などの柔らかいクロスで拭いて、直射日光の当たらないところに保管してください。
汚れが気になるときに軽く水であらって、優しく水気を拭くようにしましょう。
「オパールは水分の多い宝石のため定期的に水につけなければいけない」
という説もありますが、もともとオーストラリアやメキシコなどの乾燥地帯で取れる宝石なので、日本のような多湿地域であればそこまで気にする必要はありません。
【石別⑤】真珠(パール)
真珠(パール)は汗や脂、化粧品や整髪剤に弱い宝石です。
汚れを放置してしまうと白っぽく変色したり、表面の光沢が失われたりする可能性があります。
柔らかいクロスで汚れを拭いて、ほこり汚れや紫外線から守るためジュエリーケースなどに入れて保管することで輝きを長く保てます。
真珠で気を付けてほしいのが、水洗いです。
真珠そのものは水道水でさっと洗ってしっかり乾燥させれば問題はありませんが、真珠のネックレスの場合、真珠と真珠の間の隙間に水分が溜まって乾燥しきれずカビ臭くなることがあります。
またネックレスに絹糸を使っている場合、水に濡れると伸びたり縮んだりして劣化し、糸切れのリスクが高くなるため、できれば購入したお店や宝石店などプロにお願いするようにすると良いです。
丸い洗いはおススメできませんが、水拭きくらいであれば特に問題はありませんが、水に含まれる成分に影響を受ける場合もあるため、精製水や浄水器で濾過したものなど真水を使うようにしてください。
お手入れの注意点とポイント
ジュエリーは繊細なものなので、セルフクリーニングによって思いがけないトラブルが起こる場合があります。
特にミステリーセッティングと言われる、爪が見えない特殊な留め方を行ったジュエリーは石が取れやすく、しかも取れてしまうと修理が非常に難しいため、セルフクリーニングは行わず、プロにお任せするようにしてください。
また歯ブラシで磨くときに、爪がゆがんで石が外れてしまうということも考えられます。
排水溝に落としてしまって紛失してしまうことが無いよう、洗面器やバケツなどの容器に水またはお湯を張って洗浄するようにしてください。
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