プラチナの刻印の意味

プラチナジュエリーの刻印の意味や種類、読み方【ジュエリーの基礎知識】

  • ジュエルグラン

 

指輪の裏側やピアスの針の部分に、アルファベットと数字の刻印。その刻印の意味や種類について知らない方も多いのではないでしょうか。

ここではプラチナの刻印について解説していきます。

 

 

プラチナとは

 

プラチナのイメージ画像 (2)

 

プラチナは貴金属のひとつで、日本名で「白金(はっきん)」といいます。似たような名前で「白色金(はくしょくきん)」があります。

白色金は金(ゴールド)の種類のひとつ「ホワイトゴールド」のことで、名前だけでなく見ためもプラチナによく似たシルバー色の金属になります。

 

金属といえば硬いイメージがありますが、プラチナは「粘性(ねんせい)」という粘り気と、広がってのびる「展延性(てんえんせい)」という性質があります。

そのため強度を保ったまま細かで繊細なデザインを実現できるので、ジュエリーの素材として愛されるのです。

 

しかし純粋なプラチナではジュエリー用素材としては柔らかすぎるので、ほかの金属(パラジウムやルテニウムなど)をまぜたプラチナ合金を使用します。

 

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プラチナの表記(刻印)について

 

プラチナのイメージ画像 (3)

プラチナジュエリーで「Pt900」や「Pt850」、「pm」といった刻印がありますが、それぞれどのような違いがあるか説明していきます。

 

 

Ptの刻印について

 

プラチナ製のジュエリーに「Pt900」や「Pt850」と刻まれていますが、これは「刻印(こくいん)」とよびます。

 

刻印はジュエリーに使われている貴金属の「種類」と「品位(質量%)」を表します。

この刻印は義務ではないため、任意での刻印となります。しかし嘘の表示は詐欺罪にあたりますので、好き勝手に打っていいものではありません。

 

プラチナ製品では、

 

  1. プラチナの元素記号である「Pt」
  2. 品位(プラチナの含有量)を千分率(1000分の1を単位とした比率)であらわした数字

 

が組み合わさっています。

 

「ホールマーク」という日本の国旗のようなマークがある場合は、品位が省略される場合もあります。そのため「PT」表記しかないからニセモノ、というわけではありません。

 

[小ネタ]

プラチナを表すPTの表記で、

  1. 大文字だけの「PT」
  2. 大文字と小文字の組み合わせである「Pt」
  3. 小文字だけの「pt」

 

のなかで、どの表記が一番正しいか気になりませんか?

厳密な決まりはないものの元素記号を表しているので、②の大文字と小文字の組み合わせが適切な表記方法になります。

 

 

「PM」「p.m」の刻印について

 

 

古いプラチナ製品には、「PM」または「p.m」という刻印がされていることがあります。

 

この刻印のものはプラチナの含有量に大きな幅(70~85%)があり、場合によってはほとんど入っていないこともあるのでご注意ください。

 

 

刻印の種類

 

 

プラチナの刻印の表記は、日本国内では4種類に分けられます。

 

刻印の種類 プラチナの含有率
Pt1000/Pt999 99.9%
Pt950 95%
Pt900 90%
Pt850 85%

 

ジュエリー用貴金属の純度は最低含有量が定められているので、85%よりも低い純度の場合、造幣局の品位証明はもらえないことになっています。

 

中でもプラチナはゴールドやシルバーなどの素材(※注)よりも、含有率が85%以上と高い基準となっています。

 

※(注) ゴールドの最低含有量は375、シルバーは800.

 

 

Pt1000とプラチナの含有率について

 

Pt1000の含有量を千分率であらわすと、1000%であるはずですが99.9%となっているのはなぜでしょうか。

これは金属において100%というものは化学的・理論的に存在しないため、99.9%という表記になります。

 

日本では2012年4月1日から、国際的に使われている最低含有率の考え方をもとに、純プラチナの表示を「Pt1000」から「Pt999」へ変更しました。

 

変更前のものはPt1000と記載されていますが、これは現在でのPt999と同じものになります。

 

日本の国旗(ホールマーク)の刻印について

 

日本の国旗のような刻印は造幣局のチェックを通った証明で、ホールマークといいます。ホールマークは国が定めた検査基準をクリアした製品につくため、プラチナの刻印の中で信頼性の高いものといえます。

 

 

 

ホールマークは日本国旗+プラチナの含有量+プラチナ(Pt)の組み合わせになっています。

 

 

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メッキの場合の刻印(PTP)について

 

金やプラチナなどを他の金属の上にかぶせる、「メッキ張り」を施した素材があります。その中でもプラチナメッキを施した金属の記号は「PTP」と表記されます。

プラチナの刻印に似ていますが、表面の薄い層にしかプラチナは使われていないので貴金属としての価値は低いです。

 

ちなみにPTPはプラチナ(Platinum)の元素記号であるPTと、メッキ張りを表すPlatingの頭文字Pの組み合わせになります。

 

刻印の場所

 

刻印はジュエリーの見ためと製品価値を損なわず、かんたんに読み取れる位置に打たれます。ジュエリーごとの刻印は、次の箇所にある場合が多いです。

 

・指輪…指輪の裏側

 

 

・ネックレス…チェーンのプレート(板状の金具)またはトップ(飾り)の裏側や側面など

 

 

・ブレスレット…プレート(板状の金具)や留め具付近

 

 

・ピアス…ポスト(針) ※キャッチにプラチナを使っていればキャッチにも

 

 

 

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