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シルバーの指輪が黒ずんでしまったときの対処法! 重曹+アルミホイルが使えるってホント?
シルバーアクセサリーには黒ずみがつきものです。
新品のときはプラチナのように輝いていた指輪でも、時がたつにつれてくすんでいきます。
また、「温泉に入ったら急に指輪が真っ黒に!」という話を聞いたことがある方もいらっしゃると思います。
いぶし銀のように元から黒い加工されているものや、経年による黒ずみを「味」として楽しむパターンもありますが、望まずに変色してしまった場合はピカピカに戻したいですよね。
シルバーが変色する理由と、黒ずんでしまったときの対処法を学んでいきましょう。
シルバーが黒くなる原因
そもそも、なぜシルバーは黒く変色していくのでしょうか。
「錆が出てくるから?」と考える方も多いようですが、実は少し違います。
シルバーが変色する理由を知り、黒ずみを防ぎましょう。
鉄の「錆」とは別物! シルバーは「硫化」で黒ずむ
シルバーが黒ずむ主な原因は「硫化」です。
硫化は鉄の錆のような「酸化」とは別物で、硫黄と反応することで起こります。
ちなみに「銀の食器で毒が分かる」という話は、この硫化が関係しています。
昔は毒(ヒ素)を硫黄から抽出していたため、毒に混ざった硫黄と銀が反応していた、というわけです。
硫化は表面のみの反応ですので、錆びて赤茶けた釘のように内部までぼろぼろに腐食することはありません。
いぶし銀の素材がアクセサリーとして成り立つのも納得ですね。
温泉でシルバーの指輪が真っ黒になるのは、温泉の中の硫黄と反応して硫化してしまうためです。
「じゃあ温泉や入浴剤にだけ気をつけていればいいの?」というとそうではありません。
排気ガスや化粧品、汗や皮脂など、私たちの周りには常に微量の硫黄が存在しています。
一気に黒くなることは少ないですが、やはり時間とともに黒くなっていくのは避けられません。
硫化以外でシルバーが黒ずむ原因とは?
硫化以外にもシルバーが変色してしまうことがあります。
それは「塩化」です。
塩化は、塩素によって引き起こされます。
日常生活でも塩素に触れる機会はあり、塩素系漂白剤や塩素系洗剤、塩素系消毒液などに塩素が含まれています。
塩化してしまったシルバーを自力で元に戻すのは困難で、専門の業者に頼んで表面を丁寧に削ってもらったり、特殊な薬品で処理してもらう必要があります。
シルバーを変色させないためには?
シルバーをなるべく変色させないためには、日々のメンテナンスが大切です。
アクセサリーを外した後は、やわらかい布で汗や汚れを拭き取り、硫化の原因となる物質を取り除きましょう。
また、使用していないときはジュエリーボックスや専用ポーチに入れ、空気中の硫黄から隔離することをおすすめします。
温泉に入る際や、化粧品・薬品を触る場合にはシルバーを外してください。
特に、塩素系漂白剤やドライクリーニング後の衣類などには近づけないように注意してください。
シルバーの指輪はお化粧を終えた後につけて、帰宅後はすぐに外すのがおすすめです。
変色したシルバーはどうやって戻す?
普段から気を付けることで硫化による変色を遅らせることはできますが、それでもいつかは黒ずんでしまいます。
変色したシルバーを戻す方法を知っておくと安心です。
工房や購入店でクリーニングを依頼する
一番確実で安心なのが、プロに頼むことです。
工房や購入店で、シルバーのクリーニングをしてくれるところを探しましょう。
購入店なら簡単な手入れを無料でやってくれることもあります。
有料の場合でも、硫化による黒ずみなら1000円以下で済むことが多いです。
ただし、磨き直し処理では表面が削られてしまう点をご了承ください。
また、加工や装飾によってはクリーニングを断られてしまうこともあるので、その点を確認してから向かいましょう。
シルバー専用のお手入れグッズを使う
自分でシルバーの変色を戻したいときは、シルバー専用のクリーニンググッズを購入しましょう。
ジュエリーショップやホームセンター、時には100均で購入できます。
シルバーの手入れの方法は大きく分けて2つあります。
1つ目が表面を磨く方法で、ご家庭で行うには「シルバークロス」と呼ばれる専用のクロスが必要です。
水や中性洗剤などであらかじめ大まかな汚れを落とし、シルバークロスで磨くだけで黒ずみを取ることができます。
注意点としては、シルバークロスは研磨剤で黒ずみを落とす仕組みですので、完全に元に戻るわけでないということです。
ものによっては表面の質感が変わってしまうこともありますので、特殊加工のものは避け、様子を見ながら磨くようにしてください。
また、細かい傷が気になったときや、つやが足りないと感じる場合は、「シルバーポリッシュ」と呼ばれる別の研磨剤で仕上げるとこともできます。
2目の方法は黒ずみを化学反応で取る方法で、これは液体の「シルバークリーナー」でできます。
シルバークリーナーなら薬品に浸けるだけで表面の黒ずみが取れるので、シルバークロスでは磨きにくい細かい部分が気になるときにおすすめです。
ただし、もともといぶし銀加工がされているものは全体的に黒色が落ちて印象が変わってしまいます。
薬品ですので、体につかないように注意して使用しましょう。
どちらの方法も、特殊加工がされていたり、宝石がついている場合は説明書をよく読んで、加工部分や宝石を避けて使用してくださいね。
家にあるものでシルバーの黒ずみに対処できる?
「お店に赴いてするほどでは……」「わざわざ専用グッズを購入するのは面倒」という場合でも、化学反応を用いて変色を戻せる方法があります。
用意するものは重曹とアルミホイルです。
どちらも安価で手に入りやすいので、すでにお持ちの方も多いのではないでしょうか。
新たに買う必要があっても、余りは掃除や料理に使えるので無駄になりません。
・やり方
①アルミホイルをくしゃくしゃにして開きます。
②容器の内側の形に合わせて①のアルミホイルを敷きます。
③アルミホイルの上にシルバーを置きます。
④容器に重曹を入れます。シルバーリング1つに対して重曹小さじ1くらいが目安です。
⑤アクセサリーが浸かる高さまで容器に熱湯を注ぎます。お湯の温度は60~80度程度あれば大丈夫です。
⑥重曹とお湯をかきまぜ、冷めるまで待ってからアクセサリーを取り出します。
⑦水洗いをして水気を拭き取って完了です。
これは、「還元反応」を応用したもので、シルバーに結び付いた硫黄をより相性のいいアルミニウムに引き付けて取り除く方法です。
硫黄を動かしやすくするために重曹と熱湯を使います。
②で金属製の容器を使ってしまうと、容器の方に硫黄がうつる可能性があるので、金属以外の容器を使ってください。
重曹+アルミホイルがNGなケース
先ほど述べたように、「塩化」による変色の場合は重曹とアルミホイルでは太刀打ちできません。
また、水・熱・薬品に弱い宝石がついている場合は、宝石が割れたり輝きが損なわれてしまうこともあります。
シンプルなシルバーアクセサリー以外ではおすすめできません。
宝石以外でも、に水・熱・薬品に弱いパーツが使われていればやめましょう。
メッキ加工のものも、表面が剥がれてしまう可能性があるのでやめておきましょう。
全体の黒ずみを反応させるので、液体のシルバークリーナーと同じくいぶし銀のシルバーには向きません。
重曹+アルミホイルはあくまでプロに頼むのが難しいときに自己責任で行う方法ですが、正しく行えば表面を削らず手軽にシルバーを綺麗にすることができます。
うまく使い分け、シルバーの美しい風合いを長く楽しんでくださいね。