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知っておきたい結婚指輪の歴史! 使われる金属や宝石にも由来がある?
日本では9割以上の夫婦が結婚指輪を購入しており、「結婚が決まったからとりあえず指輪を買おう」と考える方も多いと思います。
しかし、結婚指輪にとても長い歴史があることはご存じでしょうか。
現代の日本ではプラチナやゴールドの指輪にダイヤモンドをあしらい、左手の薬指につけるスタイルが一般的となっていますが、これらの由来を知れば結婚指輪の意味をより理解でき、指輪選びの参考にすることができるはずです。
また、変わった結婚指輪を検討している場合は、「型通りの定番の結婚指輪が定番たる所以」を知ったうえで型を破ることで、後々のトラブルが少なくて済むでしょう。
結婚指輪の起源から現代の定番のスタイルが採用されている理由まで、順番にまとめました。
結婚指輪の起源
まずは結婚指輪が夫婦・愛の証として用いられるようになるまでの歴史を見ていきましょう。
結婚指輪の慣習が日本に定着するまでの流れをお話します。
結婚指輪が生まれたのは?
「指輪」自体は紀元前3000年ごろには存在していたといわれていますが、「結婚指輪」の歴史は所説あり、「紀元前3000年ごろの古代エジプトではすでに結婚指輪を交換していた」という説もあれば、「古代ローマ時代に契約や服従の証として男性が女性に贈るようになったのが起源」という説もあります。
なお、結婚指輪を左手の薬指につけるのは、古代では「左手の薬指は心臓とつながっている」と考えられていたためです。
一番大切な指に指輪をつけることで、より意味を強固にしようとしたと考えられます。
記録をたどるならば、1027年に「花婿は花嫁に金のリングを、花嫁は花婿に鉄のリングを渡した」という記録が残っており、この頃には「夫婦の証」としての意味が強くなっています。
結婚指輪の交換が一般的になったのはキリスト教が広まった11世紀から13世紀ごろで、神への契約の証として指輪交換が儀式で用いられるようになりました。
現代の結婚式でも見られる光景ですね。
日本で結婚指輪をつけるようになったのは?
日本では明治から大正にかけてキリスト教信者が指輪交換を行うようになり、広告にも夫婦の証として結婚指輪や婚約指輪が掲載されるようになりましたが、一般庶民まで浸透したのは昭和になってから。
日本には元々指輪をつける習慣がなかったことと、キリスト教の普及率が低かったことから、結婚指輪の歴史もかなり浅いようです。
日本でプラチナにダイヤモンドが定番なのはなぜ? 現代の結婚指輪の慣習と由来
これまで結婚指輪そのものの歴史をお話しましたが、現代の結婚指輪にプラチナやゴールド、ダイヤモンドが使われるようになった由来についても追ってみましょう。
歴史と国民性、2つの側面から現代の結婚指輪をまとめました。
プラチナの結婚指輪と日本の歴史
日本の結婚指輪で最も使われる素材はプラチナで、次いでゴールドです。
指輪の素材としてはゴールドの方が歴史が古く、少なくとも紀元前3000年ごろから現代に至るまで用いられてきました。
ゴールドは現代においても美しさ、加工のしやすさ、耐食性、希少性に優れた素材と言えるため、欧米では今もプラチナより人気があります。
一方プラチナは紀元前700年ごろから貴金属として存在していましたが、一時は銀の偽物として扱われていたこともあり、装飾品としての価値が再燃したのは18世紀ごろで、結婚指輪の素材として広まったのは19世紀になってからです。
プラチナは美しさも耐食性もゴールドに引けを取らず、指輪としての扱いやすさや希少性はゴールドに勝る面もあります。
現代で人気が高いのも納得なのですが、なぜ日本は他国よりもプラチナを好むのでしょうか。
日本人がプラチナを好むようになったのは、昭和天皇がプラチナを用いたティアラをご成婚の際に作られたことで、「結婚における至上の素材」というイメージが定着したという説が有力です。
また、清楚で白無垢にも合い、ゴールドより落ち着いて見えるプラチナの色味が日本人の感性に合ったのも1つの要因でしょう。
歴史を知ったうえで新しいスタイルの結婚指輪を選ぶのもアリ
現代において、どのような結婚指輪を選ぶかは夫婦の自由です。
もちろん、TPOや家庭の事情などは考慮する必要がありますが、一番大切なのは二人が納得できる結婚記念品を選ぶことです。
結婚指輪の歴史や定番の素材・宝石が選ばれる理由を知ったうえで個性的な結婚指輪に惹かれるなら、新しい風を取り入れてみるのものひとつの選択肢です。
近年市場に登場した結婚指輪と、指輪のつけ方をご紹介します。
珍しい金属・宝石で結婚指輪を作る
結婚指輪に向いている素材は、変色・変形に強く、アレルギーを起こしづらいものです。
定番の素材以外でも、これらの条件を満たしているものなら結婚指輪として用いることができるかもしれません。
■実際に結婚指輪に使われている地金
・軽くてアレルギーを起こしづらい「チタン」
・さまざまな発色が可能な「ジルコニウム」
・安価で強い「ステンレス」
・黒色が美しいレアメタル「タンタル」
・カラーバリエーションと圧倒的な強度を誇る「タングステン」
金属はそれぞれ特徴があるため、気になる素材は事前に詳しく特徴を知っておきましょう。
たとえば、強度が高すぎるものはサイズ直しや非常時の切断が困難ですので、サイズ変動が激しい方や心配性な方には向きませんし、主原料は低アレルギー性でも混ぜ物にアレルギーを起こしやすい物質が入っていることもありますので、アレルギーがある方はとにかく個別に知識を得ておくことが大切です。
こちらの記事も参考になれば幸いです。
⇒指輪の材質はどうちがう? 素材別の特徴と選び方
■ダイヤモンド以外で結婚指輪に向いている宝石
たまにつける婚約指輪ではなく、日常的に使う結婚指輪の場合は、硬度が高いだけでなく、水濡れや薬品に耐えられる宝石であることが望ましいです。
これらの条件を満たす宝石に、ルビーとサファイアがあります。
特に、青いサファイアは「花嫁は青いものを身につけると幸せになれる」というジンクスの「サムシングブルー」に当てはまりますし、イギリス王室の婚約指輪にも使われた由緒ある宝石ですので、おすすめです。
ライフスタイルに合わせて左手の薬指以外を選ぶ人も
既婚者であることを周囲に知らせる目的なら結婚指輪は左手の薬指に着けた方がいいですが、夫婦の絆の証としてつけるなら左手の薬指にこだわる必要はありません。
指輪がライフスタイルに合わない場合は、普段はチェーンを通してネックレスにして身に着け、フォーマルな場でのみ左手の薬指につけるという手もあります。
こちらもご参照ください。
⇒指輪を首にかけるのにはどんな意味がある? プレゼントの指輪や結婚指輪・婚約指輪を首から下げるのは?
⇒指輪をネックレスにしたい! チェーンを使った指輪のアレンジ方法
また、近年では結婚記念品に指輪ではなくピアスやネックレス、腕時計を選ぶことも珍しくありません。
何事も自由になってきている現代においては、知識として歴史や由来を理解しつつ、自分たちに合った方法を選ぶことが大切です。








